40歳を過ぎたら、特定検診(別名「メタボ検診」)の実施など、今まで以上に生活習慣病リスクを意識する場面が多くなります。ただし、健康診断、がん検診、日々の食生活や運動習慣などに意識は向けても「骨の健康」はどうでしょうか?約40年間骨粗しょう症治療薬に携わってきた旭化成ファーマさんに「骨のメンテナンス」についてお聞きしました。
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骨検 ~骨にも検診プロジェクト~ のYoutube公式チャンネル
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3分に1件の割合で発生している大腿骨の骨折。骨折が原因で要介護となった場合、5年間の自己負担額が1,500万円!?
――骨粗しょう症とはどんな病気ですか?
骨粗しょう症とは、骨の量(骨密度)が少なく、また、骨の質が劣化することで骨がもろくなり、骨折が起きやすい状態か、もしくは骨折が既に起きている病気です。
意外かもしれませんが、骨は常に古い骨から新しい骨に作り替える新陳代謝を活発に繰り返すことで、骨を健康な状態に維持しています。この新陳代謝を骨代謝(または骨リモデリング)といいます。
骨代謝のサイクルを説明すると、まず破骨細胞(はこつさいぼう)と呼ばれる細胞が、古くなった骨を溶かしていきます(骨吸収)。そして、溶かされた部分に骨芽細胞(こつがさいぼう)と呼ばれる細胞が集まり、新しい骨を作っていきます(骨形成)。骨吸収と骨形成のバランスが保たれている間は、骨の量(骨密度)に変化はありません。
しかし、何らかの原因で骨吸収の働きが骨形成よりも高まってしまうと、骨がスカスカになってもろくなり骨折しやすくなります。骨折は、背骨・手首の骨・大腿骨(太ももの付け根の骨)などに起こることが多いとされています。
ちなみに、日本で1年間に大腿骨の骨折がどのくらいの頻度で発生していると思いますか?
――年間の大腿骨の骨折人数…桁すら想像がつかないです。
日本では1年間に約18万人の方が大腿骨を骨折していると推計されています*1。時間に換算すると、おおよそ3分に1件の割合で発生していることになります。
――そんなにですか。多くてびっくりしました。
はい。大腿骨を骨折すると元通りに歩くことが難しくなる場合もあり、普段の生活に支障をきたすことがあります。大腿骨を骨折した場合、一般的には骨折を治療するために手術が行われます。
――手術を受ければ元のように歩いたり、日常生活に戻れるのでしょうか。
もちろん、手術を受けることで元通りに歩いたり、日常生活に戻れる方はいます。しかし、全員というわけではなく、手術を受けても元通りに歩くことが難しくなってしまう方もいます。
骨折は実際に介護が必要になる原因の1つとして知られています。
骨折が原因で介護が必要となった場合、ご本人のみならず、ご家族にとっても様々な負担が出てしまうことが懸念されます。経済的な面でも、骨折が原因で要介護となった場合、5年間の自己負担額が1,500万円にのぼるという試算もあります*2。
心身の負担のみではなく経済負担も大きい骨折。自覚症状のないことが多い骨粗しょう症だからこそ「骨のメンテナンス(検査)」に注目してほしい
――心や体だけに限らず、経済的な面を考えても、骨折には気を付けたいと思いました。その骨折のリスクを高めることになってしまう骨粗しょう症ですが、どうやったら見つけることができますか?
骨粗しょう症は自覚症状がないことが多いですが、検査で骨密度を測ることはできます。まずは現在の骨の状態を確認するという意味でも、骨粗しょうの検査を受けられることをお勧めします。
――検査はどこで受けられますか?
自治体の検診や人間ドックでオプション検査になっていることもあります。整形外科でも検査を受けられるところがあります。弊社で運営している骨検というサイトでは、検査できる病院を位置情報や住所・駅名から簡単に調べられますのでご覧いただければと思います。
また、弊社では2024年6月18日から「メディカルほねチェック」というWebサービスの実証実験を始めました。この「メディカルほねチェック」では、検査の予約から検査費用の支払い、検査結果の確認までを、Webサイトで簡単に行えます。また、医療機関での待ち時間や問診等にかかる確認時間を省くことで、受付からお帰りまで約30分で検査が受けられます。
骨の状態は目に見えないけれど「チェックしに行く」ことはできる。骨の状態を知って早めの予防・対策をしてほしい
―――とっても便利なサービスですね。検査を受けてほしい方はどのような方でしょうか?
骨粗しょう症の患者数は推計1,280万人とされていますが、そのうち男性が300万人、女性が980万人とされており、女性に多い病気です*3。女性は閉経期に女性ホルモンの分泌低下に伴い、骨量も減少することが分かっており、60歳代女性の約5人に1人が骨粗しょう症ともいわれています。最近は若い方でもダイエットの影響などにより骨量が少ない方もいるとも言われており、気になる方は一度受けていただきたいと思っています。
―――ありがとうございました。
インタビュー協力:旭化成ファーマ株式会社 新事業企画室
取材:ティーペック株式会社 ヘルスケアストラテジー部
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参考
- *1:出典)Osteoporosis Japan Plus.1;28,2016
- *2:出典)林泰史, 日老医誌 44;591,2007
- *3:出典)骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版
※当記事は、2024年8月に作成されたものです。
※医師の診断や治療法については、各々の疾患・症状やその時の最新の治療法によって異なります。当記事がすべてのケースにおいて当てはまるわけではありません。
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