気になる症状と病気

乳幼児のこんなときどうすれば?よくある症状・受診の目安・家庭でできる対処法【医師監修】

公開日:2023.08.03

子どもの様子が普段と違うが原因がわからない、ということはよくあります。特に0~1歳の乳幼児は自分の症状をうまく表現できません。そのため、日常的に子どもの様子を観察しているご家族の方が変化に気づく必要があります。症状に応じて緊急の受診が必要な場合や、対応が遅れると後遺症や命に関わってしまう場合もあります。この記事では、乳幼児に多いさまざまな症状についてや、受診の目安や家庭でできる対処法について説明します。(以下、医師監修による記事です)

1.何かおかしいと感じたときに見るポイントと対処法

子どもの症状は個人差があるため、重症かどうかの判断が難しいことは少なくありません。しかし、子どもがいつもと違うと気づくためには、普段から子どもの様子、表情、行動パターンなどをよく観察しておくことも大事です。また、家族間でコミュニケーションを図り、情報を共有しておきましょう。それにより医療者とコミュニケーションしやすくなり、子どもの様子を一緒に考えやすくなります。

 

この記事は、子どもの風邪を中心に解説しています。ウイルス性の感染症である風邪と考えていたのに、実は重症の細菌感染症だったらどうしよう……と思われる保護者は少なくありません。保護者・医療者が『何かおかしい』と感じるとき、細菌感染のリスクが上がっているという研究結果もあるのです。しかし、医師による判断の方がより正確であるという結果にもなっています。(*1)

 

では、保護者の『何かおかしい』という気持ちが役に立たないのでしょうか。そうではありません。医療者の判断には、保護者の『何か変』という感覚も考慮に入るのです。(*2)

 

ですので、この記事が、保護者の『なにかおかしい』の判断を医療者に伝える助けになればと思います。

1.1まず見るポイントとは

まず子どもの全体を観察しましょう。医療者は、見た印象、呼吸、循環(皮膚の色)の3点(Pediatric Assessment Triangle=PATといいます)をまず確認します。そのポイントを保護者も持っておくと良いですよね。

具体的には、顔色はどうか、視線が合うか、周囲への反応はいつもと変わらないか、意識はどうか、会話ができるか、呼吸の仕方はどうか、熱はないかなどを確認しましょう。

 

この時点で、おかしいなと感じたら、受診を考えましょう。特に、泣き声が弱々しくなっていったり、呼びかけへの反応が悪くなってきたりしたときは救急車を呼んだり、救急外来を受診することも考えましょう。逆に、大きな声で泣いている場合は、緊急とは限りません。もちろん、さまざまな不快なことがあると思いますが、症状を確認する余裕があることが多いです。

 

そのうえで今回は、風邪、すなわち『ウイルスによる「風邪症候群」』の解説です。

風邪症候群は、基本的には鼻づまり、鼻水、くしゃみ、喉の痛みといった症状がある急性のウイルス性の病気です。つまり、鼻(くしゃみ・鼻水・鼻づまり)、耳(液体・におい・痛み)、口(咳・のどの痛み)といった症状に気を配る必要があります。これらを目安に、いくつかあてはまる場合には、まず診療時間内に小児科の受診をすることをおすすめします。

1.2迷ったときに頼れる相談先

乳幼児は、昼夜を問わず症状が現れることがあります。小児科が開いている時間帯であれば診察に連れて行けますが、夜間や休日などで子どもの状態が異常だと思った場合、救急受診するかどうか判断に迷うこともあるでしょう。

 

そのような場合は、「こども医療でんわ相談」に電話してみましょう。短縮番号「#8000」にかけると、住んでいる市町村の相談窓口に自動的につながり、専門の相談員が助言をしてくれます。各自治体のホームページに直接連絡できる電話番号が記載されていることもあり、こども医療でんわ相談が混雑してつながりにくい場合に利用できます。 

 

『ONLINE QQこどもの救急http://kodomo-qq.jp/ 』(厚生労働省研究班/公益社団法人 日本小児科学会監修)では、症状別の対処方法なども紹介されています。

 


<編集部より>
自治体の相談窓口のほか、お勤めの企業・健康保険組合や、生命保険の付帯サービスなどで、保健師・看護師など専門のスタッフに相談できる『健康相談サービス』がご利用できる場合があります。詳しくはこちらをご覧ください。

2.乳幼児で一番かかりやすい病気

小児科を受診する方の中で、一番多く診断されるのが風邪でしょう。かかる頻度は年齢が低いほど高く、生後1年未満の乳児では少なくとも6回はかかると言われています。(*3)

2.1風邪とは

風邪は、医療の分野では「風邪症候群」と呼ばれる病気です。鼻づまり、鼻水、くしゃみ、喉の痛みといった症状がある急性のウイルス性の感染症でしたね。特に風邪はこれらの『喉・鼻・咳』の症状が同程度起こってくるとされています。(*4)

 

その原因となるウイルスは200種類以上もあり、さまざまな症状をおこします。風邪は飛沫感染や接触感染によって広がり、家族や保育園などから感染することがよくあります。

 

風邪の症状は1週間もあれば良くなる…と思っている方も多いでしょう。しかし、多くの研究をまとめた検討では、風邪の全体的な症状は2週間くらいで9割の人が、咳は3週間くらいで9割の人がようやく改善するという結果になっています。思った以上に長引くものということですね。(*5)

 

風邪はウイルスによるものです。そのため、細菌に対して作用する抗生物質(抗菌薬)は効果がありません。対症療法が対策の中心になるので、安静にし、睡眠がとれるように看病にあたりましょう。少しずつミルクや水分、消化の良い食事または離乳食を与えるということです。

 

鼻水が多いと辛いものですよね。鼻が詰まると水分や食事が取りにくくなります。そもそも、200種類もの風邪のなかで最も多いのは鼻風邪ウイルスである『ライノウイルス』なのです。(*6)

 

鼻汁を吸引すると、乳幼児の風邪症状の改善に役立つことがわかっています。最近は、電動の鼻吸い器が入手しやすくなっていますので、考えてみると良いでしょう。(*7)

 

さて、風邪症候群は、『喉・鼻・咳』の症状が同程度起こってくる感染症です。すなわち、それらの症状が、喉が特に痛い、咳だけが特にひどい…などあると、単なる風邪ではないかもしれないということですね。そこで、それぞれの症状が特に強い場合を考えてみましょう。

3.【ケース1:喉の症状】子どもの咽頭炎

3.1喉の症状が出る病気

喉の痛みは食べ物や水分が取りにくくなる原因になります。特に喉に水ぶくれ(水疱)ができるヘルパンギーナや手足口病は水分が取りにくくなり、脱水の原因になります。

 

喉の痛みを起こす風邪の原因は、多くはウイルス性の風邪に伴うもので抗菌薬を必要としません。しかし、喉の痛みのある感染症のうち、15-30%にA群溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌感染症、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)、すなわち抗菌薬を必要とする細菌感染の場合があります。(*8)

 

喉の症状の他に発熱や、苺のようにブツブツとした舌になったり、発疹がでたりします。溶連菌感染は喉の痛みがあることが多いのですが、一般的に『咳がない』ことも特徴の一つです。(*9)

 

晩冬から春先の時期が特に感染が多いとされています。治療にはペニシリンという抗生物質が効果的です。

 

喉の痛みがあるウイルス性の風邪のうち、長引く発熱がある場合にはアデノウイルスの可能性があります。リンパ節が腫れている場合にはEBウイルス(ヘルペスウイルスの一種)も疑うことがあります。EBウイルスは抗生物質を服用すると発疹が出てしまうことがあるため、溶連菌との区別が必要になります。

3.2こんなときは注意

喉の痛みが強く、ミルクが飲めなかったり、離乳食が食べられなかったりすると脱水の原因となりますので、診療時間内に医師の診察を受けましょう。アデノウイルスや溶連菌感染症には喉を綿棒でこすって検査をする迅速診断のキットもあり、医師に相談しながら検査も考えましょう。

4.【ケース2:鼻水・鼻づまり】子どもの鼻水・鼻づまり

1歳未満の乳児では、鼻がつまると口呼吸による呼吸が苦手であるため、苦しくなりやすくなります。(*10)

 

そこで、鼻水で詰まったら、赤ちゃん用の鼻水吸い器を使うか、綿棒でぬぐって取り除くと良いでしょう。また特に粘度の高い鼻水に対しては、ティッシュを使って鼻水を取り除く方法もあります。人差し指に縦長に折りたたんだティッシュを巻き付けるように折り返して軽く持ち、鼻水が出ている子どもの鼻の下にぴたりと付けます。そのままティッシュの短いほうを引っ張ると、鼻水がスルスルと引き出されます。

4.1鼻水が出る原因

鼻水は、鼻腔の加湿を行うほか、ウイルスなどの異物を排出する役割もあります。鼻水の症状が10日以上経っても『変わらず』ひどい場合や、改善してきた症状が1週間ほどして『再度』ひどくなってきた場合は、副鼻腔炎になっている場合があります。たとえば2歳から4歳の子どもが風邪のあとに副鼻腔炎になる率は8.8%だったという研究結果があります。(*11)

 

なお、副鼻腔炎であっても、全員に抗生物質(抗菌薬)が必要というわけではありません。しかし、適切な抗菌薬が必要になることがあるので、医師と相談しましょう。

 

ウイルス感染に伴う風邪の鼻水は、生理食塩水を使用して鼻を洗ったり、鼻水吸い器を使用したりすることで、取り除くことができます。鼻水吸い器は安全性も高いという研究結果がありますが、鼻出血などが起こることもあります。難しい場合は医師と相談しましょう。(*12)

4.2こんなときは注意

鼻風邪は、徐々に回数は減っていくものです。保育所や幼稚園に通い始める時期は風邪症状が増えるものの、平均して9ヶ月ほどで回数は減っていくという研究結果もあります。(*13)

 

鼻水以外に特に問題がなく元気であれば、基本的には改善を待つと良いでしょう。

 

ただし、中耳炎や副鼻腔炎が起こる可能性もあります。黄色い鼻水が長引く、機嫌が悪い、発熱がある、泣き止まないといった場合は、診療時間内に受診するのが良いでしょう。

5.【ケース3:咳の症状】子どもの咳

風邪に伴う咳は、気道に存在する分泌物や異物を除去するために発生する生理的な反応です。そのため、基本的には無理に咳を抑えることは推奨されません。しかし、子どもが咳をしていると心配になりますよね。

5.1咳が出る原因

風邪による咳は生理的な現象ですが、咳には喘息や気道異物といった別の原因もあります。しかし、これらの病気と風邪の咳を区別することは難しい場合もあるので、注意が必要です。

痰がからむような咳(湿性咳嗽(がいそう))なのか、痰のからんでいない咳(乾性咳嗽)なのか、そして咳が始まってからの期間、症状がどのように変わって来たのかを医療者に伝えると良いでしょう。

 

では、『長い咳』とはどれくらいでしょう。3~4週間がひとつの目安です。(*14)

 

というのも、風邪の咳は3週間程度で9割くらいの人が良くなってくるからと前にお話していましたね。(*15)

 

もちろん、3週間咳が続かないと受診してはいけないという意味では全くありません。でも、咳は思った以上に長引くものなのだということです。

5.2こんなときは注意

咳が出る場合は、咳以外の症状も注意深く確認する必要があります。たとえば、発熱が長引くと同時に咳が長引いている場合は、下気道、すなわち気管支や肺へ炎症が広がっていることが懸念されます。診療時間内に医師の診察を受けましょう。

 

なお、下気道(気管支や肺)へ炎症が広がりやすい病原体には、RSウイルス感染症やマイコプラズマ、百日咳などがあります。

 

RSウイルスは、2歳までに1回は感染し、1~3%は入院となります。多くは風邪で終わるのですが、2歳未満の子どもがRSウイルスに感染すると、30~40%が気管支炎など、のどより下(下気道)の感染症に発展します。(*16)

 

症状はまず発熱・鼻汁からはじまることが多く、2~3日つづきます。このままひどくならずに回復する方も多いのですが、一部の方に4~5日目くらいから下気道の症状、すなわち咳や喘鳴(ぜいぜい、ひゅーひゅーとした呼吸)、陥没呼吸(鎖骨の上のくぼみがぺこぺこするなど)、多呼吸(呼吸が速くなる)などの症状が出てくることがあるのです。

 

マイコプラズマや百日咳は、抗菌薬で咳そのものの改善は期待できないことも多いのですが、感染の広がりを防ぐための抗菌薬が必要になります。これまで迅速検査に良いものがなかったのですが、最近、迅速検査が可能になってきていますので、長引く場合は診療時間に医師に相談してみると良いでしょう。

6.【ケース4:発熱】子どもの発熱

人間は、『恒温動物』ですので体温を一定に保つ、すなわち平熱があります。平熱とは、たとえるならば、エアコンの設定温度のようなもので、"その人の体温の設定温度はこれくらいですよ"とされていると考えればわかりやすいでしょう。この平熱の設定のことを「セットポイント」といいます。

 

そして発熱とは、このセットポイント、すなわちエアコンの設定温度を上げるイメージの体に備わっている機能です。人間に感染するようなウイルスや細菌は、人間の体の中が一番心地良い環境だから入ってこようとするため、発熱は体の設定温度を上げて外に追い出そうとする、人間の防御反応といえます。

 

体温を測定する機器として、現在よく使われているのは電子体温計、耳式体温計、そして非接触式体温計です。

しかし、非接触式体温計は皮膚の温度を測定するわけですから、外気温の影響を受けやすいという問題があります。(*17)

 

そして耳式体温計は、耳垢が溜まっていたりすると鼓膜にセンサーの赤外線をあてることができない場合があります。(*18)

 

そこで、子どもの体温を測る方法として、電子体温計が一般的に使われています。

体温が高いからといって、必ずしも重症というわけではありませんが、体温の変化をより記録しておくことは病状をつかむためにも重要です。

6.1発熱の原因

発熱とは一般的に、体温が37.5度以上ある状態を指します。(*19)

 

発熱した際は汗をよくかきます。脱水症状を起こしやすいため、ミルクや食事に加え、水分補給を行いましょう。汗で服が濡れたら、身体を拭いて着替えさせましょう。

6.2こんなときは注意

生後1ヶ月未満の発熱は基本的に全員が精査をおこない、場合によっては入院加療が必要になります。

生後3ヶ月未満の発熱も、注意が必要です。生後3ヶ月未満の発熱のうち、7%に重症の細菌感染症が見つかったという研究結果もあります。(*20)

 

もちろん、生後3ヶ月以上でも、乳幼児期では急な変化が起こりえます。

最初にお伝えしたように、見た印象、呼吸、循環(皮膚の色)の3点を確認しながら、特に、泣き声が弱々しくなっていったり、呼びかけへの反応が悪くなってきたりしたときは救急車を呼んだり、救急外来を受診することも考えましょう。そうならないように、診療時間中に受診も考えておきましょう。

7.【ケース5:けいれん】子どもの「熱性けいれん」

子どものけいれんで多いのが、熱性けいれんです。熱性けいれんは、日本人には7~11%、すなわち10人に一人程度はある、少なくない病気です。38度以上の発熱に伴って発作が起こってくるという病気ですが、生後6ヶ月から5歳までの小さいお子さんに起こりやすく、言い換えれば年齢が高くなるにしたがって、起こらなくなってきます。

7.1熱性けいれんの原因

熱性けいれんの原因は、風邪などの感染症であることがほとんどです。熱が出てから24時間以内に出現することが多いです。多くの場合、熱性けいれんは5分以内に止まります。

 

一度熱性けいれんを起こすと、30%の確率でその後1回は再発します。一方で、半数以上の子どもは1回で終わるとも言えます。多くの場合は、熱性けいれん予防薬は不要です。しかし、繰り返し起こしやすい人や、1歳未満での発症など、熱が出た時の予防的なけいれん止めの坐薬を使用することがあります。目安となる基準などもありますので、医師と相談しましょう。

7.2けいれんの対処法

けいれんが出た場合には、安全な場所を確保し、横に寝かせましょう。窒息の原因になりますので、口の中には何も入れないようにしてください。

 

そのけいれんが、熱性けいれんかどうかを判断する必要性がありますが、受診したときには発作が止まっていることがほとんどです。けいれんが止まったあとも、呼吸状態や顔色を確認しましょう。発作が始まった時刻や続いた時間、けいれん発作中の様子を覚えておきましょう。もし可能ならスマホなどで動画を記録すると受診した時に役に立つでしょう。

7.3こんなときは注意

熱性けいれんの発作は、5分以内に収まることがほとんどです。意識が戻って発作前と同じような意識状態になった場合の多くは緊急性は高くありませんが、特に初めての発作の場合は受診したほうが良いでしょう。発作が5分以上続く場合は、救急車で受診が必要です。

8.【ケース6:胃腸炎】子どものウイルス性胃腸炎

乳幼児の胃腸炎で多い原因はウイルス性によるものです。ウイルス性胃腸炎の症状は嘔吐や下痢が主なもので、脱水の懸念があります。

8.1ウイルス性胃腸炎の原因

ウイルス性胃腸炎は、腹痛、嘔吐、下痢などの症状を引き起こします。主な原因としてはロタウイルス、アデノウイルス、ノロウイルスなどが挙げられます。その中でもロタウイルスは2020年に予防接種が定期接種になりました。そのため、ロタウイルス胃腸炎による入院や救急受診のリスクが8割程度低下すると考えられています。(*21)

 

ウイルス性胃腸炎の治療では、水分補給(特に経口補水液が有用)を頻繁に行いながら経過を観察します。胃腸炎を引き起こすノロウイルスはアルコール消毒による効果が低く、石鹸や流水での手洗いを行い、嘔吐物の処理は次亜塩素酸ナトリウムが必要です。

8.2こんなときは注意

嘔吐と下痢の症状が続くと、脱水症状を起こしやすくなります。脱水の程度は、皮膚の張り(ツルゴールといいます)の低下や涙がでない、粘膜の乾燥などで確認します。そのなかでも医療者は、『毛細血管再充填時間』といって、爪を5秒間圧迫し解除後、爪の赤みが回復するまでの時間を観ることが多く、有用性が高いことが研究結果でわかっています。(*22)

8.3他の腹痛との違い

同じ腹痛でも、便が出ないときには便秘の可能性があります。

米国の病院に腹痛のために受診した子どもの多くは便秘症で、虫垂炎はアフリカ系アメリカ人の1.9%、白人の5.1%だったという報告があります。(*23)

判断が難しい場合には、迷わずに救急外来で診察してもらいましょう。 

 

幼児の急性胃腸炎について詳細は、「幼児に多い急性胃腸炎とは」をご覧ください。

9.不安を解決するためにも迷ったら相談しましょう

今回は、乳幼児によくある症状と見るべきポイントを解説しました。自宅療養すべきか受診すべきか悩む場合には、受診をおすすめします。診療時間内であれば受診して直接診てもらうことで、より心配を減らすことができるでしょう。

 

夜間や休日の、診療時間外であれば、「こども医療でんわ相談」など(#8000)を活用しましょう。子どもは親の気持ちを察するため、親が不安になっていると子どもはさらに不安に感じてしまいます。症状が出た場合には、焦らずに落ち着いて対応しましょう。

 


<編集部より>
自治体の相談窓口のほか、お勤めの企業・健康保険組合や、生命保険の付帯サービスなどで、保健師・看護師など専門のスタッフに相談できる『健康相談サービス』がご利用できる場合があります。詳しくはこちらをご覧ください。

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≪執筆者プロフィール≫

訪問看護師ライター・那賀嶋幸恵(なかじまゆきえ)

新卒で急性期病院へ従事したのち、デイサービスや特別養護老人ホームなど様々な看護の場を経験。現在は訪問看護ステーションにて在宅医療の現場をみつつ、医療福祉のあり方を日々発信中。

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≪監修者プロフィール≫

堀向健太

東京慈恵会医科大学葛飾医療センター小児科助教。
医学博士。
日本小児科学会専門医・指導医。日本アレルギー学会専門医・指導医・代議員・広報委員会(啓発活動委員会含む)委員・アレルギー疾患対策基本法特別委員会委員。日本小児アレルギー学会代議員・研究推進委員会委員・広報委員会委員。

参考

  • 日本小児科学会「こどもの救急」
    http://kodomo-qq.jp/
  • 日本小児救急医学会
    https://www.convention-axcess.com/jsep
  • 厚生労働省「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」
    https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-17.html
  • 厚生労働省「抗微生物薬適正使用の手引き 第二版」
    https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000573655.pdf
  • 厚生労働省「上手な医療のかかり方.jp」
    https://kakarikata.mhlw.go.jp/kakaritsuke/8000.html
  • 小児科医 堀向健太医師(監修者著書)
    『小児のギモンとエビデンス ほむほむ先生と考える 臨床の「なぜ?」「どうして?」』じほう、2022年
  • (*1)Urbane UN, et al. Value of parental concern and clinician's gut feeling in recognition of serious bacterial infections: a prospective observational study. BMC Pediatr 2019; 19:219.
  • (*2)Van den Bruel A, et al. Clinicians' gut feeling about serious infections in children: observational study. Bmj 2012; 345:e6144.
  • (*3)Heikkinen T, Järvinen A. The common cold. Lancet 2003; 361:51-9.
  • (*4)厚生労働省健康局結核感染症課「抗微生物薬適正使用の手引き 第二版」
    https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000573655.pdf
  • (*5)Thompson M, et al. Duration of symptoms of respiratory tract infections in children: systematic review. Bmj 2013; 347:f7027.
  • (*6)Heikkinen T, Järvinen A. The common cold. Lancet 2003; 361:51-9.
  • (*7)Pizzulli A, et al. The impact of nasal aspiration with an automatic device on upper and lower respiratory symptoms in wheezing children: a pilot case-control study. Ital J Pediatr 2018; 44:68.
  • (*8)Kalra MG, et al. Common Questions About Streptococcal Pharyngitis. Am Fam Physician 2016; 94:24-31.
  • (*9)Centor RM, et al. The diagnosis of strep throat in adults in the emergency room. Med Decis Making 1981; 1:239-46.
  • (*10)増田 佐和子. 【鼻閉にまつわる問題とその解決策】小児の鼻閉. JOHNS 2019; 35:1555-8.
  • (*11)DeMuri GP, et al. Clinical Features, Virus Identification, and Sinusitis as a Complication of Upper Respiratory Tract Illness in Children Ages 4-7 Years. J Pediatr 2016; 171:133-9.e1.
  • (*12)Casati M, et al. Safety of use, efficacy and degree of parental satisfaction with the nasal aspirator Narhinel in the treatment of nasal congestion in babies. Minerva Pediatr 2007; 59:315-25.
  • (*13)Schuez-Havupalo L, et al. Daycare attendance and respiratory tract infections: a prospective birth cohort study. BMJ open 2017; 7.
  • (*14)Chang AB, et al. Use of Management Pathways or Algorithms in Children With Chronic Cough: CHEST Guideline and Expert Panel Report. Chest 2017; 151:875-83.
  • (*15)Thompson M, et al. Duration of symptoms of respiratory tract infections in children: systematic review. Bmj 2013; 347:f7027.
  • (*16)堤裕幸他『小児科診療 81巻』診断と治療社、2018年、171-3.
  • (*17)Spindel JF, et al. The environment has effects on infrared temperature screening for COVID-19 infection. Am J Infect Control 2021; 49:1445-7.
  • (*18)五十嵐 勝朗. 【体温の基礎知識】体温の正しい測定方法. チャイルド ヘルス 2008; 11:847-9.
  • (*19)厚生労働省「医師及び指定届出機関の管理者が都道府県知事に届け出る基準」
    https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000203402.pdf
  • (*20)Bachur RG, et al. Predictive model for serious bacterial infections among infants younger than 3 months of age. Pediatrics 2001; 108:311-6.
  • (*21)Hungerford D, et al. Population effectiveness of the pentavalent and monovalent rotavirus vaccines: a systematic review and meta-analysis of observational studies. BMC Infect Dis 2017; 17:569.
  • (*22)Steiner MJ, et al. Is this child dehydrated? Jama 2004; 291:2746-54.
  • (*23)Caperell K, et al. Race and acute abdominal pain in a pediatric emergency department. Pediatrics 2013; 131:1098-106.

※当記事は2023年6月時点で作成したものです。
※医師の診断や治療法については、各々の疾患・症状やその時の最新の治療法によって異なります。当記事がすべてのケースにおいて当てはまるわけではありません。
※2023年8月25日、本文に一部追記しました。

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