「寒暖差アレルギー」という言葉は、医学的に明確な定義や診断基準が存在しません。ただし、寒冷刺激や気温の変化に敏感な人に特定の症状が現れることもまた事実です。いわゆる寒暖差アレルギーに対処するために役立ちそうなアドバイスをいくつかご紹介しますので、ご参考になれば幸いです。
目次
1.寒暖差アレルギーの主な症状
個人差はありますが、いわゆる寒暖差アレルギーの主な症状は下記のようなものとされます。
- 皮膚のかゆみや発疹
- のどの痛みや違和感
- 頭痛や倦怠感
- くしゃみや鼻水
しかし、これらの症状は、急激な温度変化が引き起こす寒暖差アレルギーによるものなのか、あるいは通常のアレルギー性によるものなのか、それとも他の疾病等に起因するものなのか、必ずしも寒暖差アレルギーによるものとは容易には断定できません。
2.急激な温度変化による自律神経の乱れが原因に
寒暖差アレルギーは、急激な温度差により自律神経が乱れることが主な原因とされており、交感神経と副交感神経のバランスが崩れると発症すると考えられています。鼻水や鼻づまりは、鼻の粘膜の働きが不安定になることで引き起こされます。ストレスや飲酒も発症要因とされていますが、まだはっきりと原因が特定されているわけではありません。
3.季節や天気は関係する?
一般的に、寒暖差アレルギーは気象条件や季節で症状が悪化する可能性があるとされています。これも個人差があるわけですが、季節や気象条件が特に影響すると考えられる状況についていくつか挙げてみます。
・季節の変わり目
春や秋など、気温の変化が激しい季節の移り変わりの時期に、症状が悪化することがあります。急激な気温変化は、体にストレスをかける可能性があります。
・寒冷地域での冬季
寒冷な地域では冬季に寒冷刺激が強まり、それによって引き起こされる症状が強まることがあります。
・湿度の低い日
低湿度の日は、皮膚や喉の粘膜の乾燥が引き起こされやすくなり、症状を悪化させる可能性があります。
・強風の日
風が強く吹く日は体感温度が下がります。寒冷感を強め、寒冷刺激により症状が生じる可能性があります。
4.気を付けた方がいい点や対策は
季節や気象状況のほかにも気を付けたい点や場所があります。
屋外においては、上記のとおり低温や強風時により注意する必要がありますが、屋内においても注意が必要です。暖房をしっかりと行い室温を一定に保ちます。その際、加湿して適度な湿度も保持したいところです。
屋内から屋外へ移動の際も要注意です。急激な温度変化が寒暖差アレルギーの原因になりますので、出掛ける際は防寒対策をしっかりと。マフラーやネックウォーマーで首回りからの冷えを防ぐとともに、手袋やレッグウォーマーなどで手首や足首からの冷えにも対策を。マスクを使ったり、帽子を被ることで、顔や頭部からの放熱対策を行うことも効果的です。特に、体温調節の機能が赤ちゃんや幼児は未熟なため、また高齢者は低下していることから、暖かい服装が必要です。
体温調節には体内の血液や水分のスムーズな循環が欠かせません。適度な運動、水分補給、栄養摂取などは、一般的な健康づくり同様に、対策の基本となります。
また、筋肉量が少なく体が冷えやすい女性や高齢者は、寒暖差アレルギーになりやすいともいわれますので、ストレッチや筋トレを試すのも一つの方法です。
なお、自律神経のバランスを整えるという意味では、ストレスの多い生活や不規則な睡眠などはできるだけ避け、見直していきたいところです。ぬるめのお湯にゆっくりと浸かるなど自分なりのリラックス法を見つけ、規則正しい生活リズムを保ちましょう。
5.まとめ
寒暖差アレルギー対策の基本は上述のとおりですが、個人差があるのもこの症状の難しいところです。症状がつらいときは早めにかかりつけ医に相談しましょう。薬でできる対処はあるか、運動や生活面の見直しといった対策で症状の軽減が可能か、他の疾患が影響していないか、などの助言と診断を受けることができるでしょう。
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※当記事は、2024年2月に作成されたものです。
※医師の診断や治療法については、各々の疾患・症状やその時の最新の治療法によって異なります。当記事がすべてのケースにおいて当てはまるわけではありません。
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