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気になる症状と病気

月経困難症とは?症状や対処法を解説【医師監修】

公開日:2023.09.06

生理時の腹痛や腰痛が重くつらい方は、もしかすると「月経困難症」かもしれません。生理痛(月経痛)で生活や仕事に支障をきたしている場合や、食欲不振や吐き気がある場合などに、つらい症状を軽減するためにはどのように対処したら良いのでしょうか。また、月経困難症と共通する症状には、女性特有の病気が隠れていることもあります。「単なる生理痛」と思い込まず、医療機関の受診を検討することも大切です。月経困難症とは何か、その原因や対処法、用いられる薬の種類、隠れている可能性のある病気などについて確認していきましょう。(以下、医師監修による記事です)

1.月経困難症とは

月経痛、いわゆる生理痛は多くの女性が経験するものです。ただし、日常生活に影響が出るほどの強い月経痛は「月経困難症」と呼ばれます。


たとえば、鎮痛剤が必要なほど強い腹痛がある、痛みで仕事ができない、といった状態は月経困難症と考えて良いでしょう。月経困難症では次のような症状があらわれる傾向にあります。

  • 腹痛
  • 腰痛
  • 悪心(気持ちがわるくなる)
  • 嘔吐
  • 貧血によるふらつき
  • 頭痛
  • 食欲不振 など

月経困難症には大きく分けて機能性月経困難症と器質性月経困難症の2つがあります。それぞれについて、詳しくは次項より説明します。

1.1 機能性月経困難症の原因と症状

機能性月経困難症とは、特段の病気がなく起こる月経困難症のことです。機能性月経困難症は、初経から2~3年後に始まるケースが多く、月経の初日~2日目ごろの出血が多い時期に、強い痛みを感じるのが特徴です。


機能性月経困難症の原因には、PG(プロスタグランジン)というホルモンの産生による子宮収縮が挙げられます。


痛みの原因となるPGは、月経血を排出するために子宮内膜から産生されます。PGが多く産生されると、子宮が過剰に収縮して、痛みが生じてしまうのです。

1.2 器質性月経困難症の原因と症状

器質性月経困難症とは、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮腺筋症などの病気をともなう月経困難症のことです。20~40代に多いと考えられていますが、近年では、比較的若年の女性にも子宮内膜症が増加しています。

2.月経困難症の対処法は?

月経困難症と思われる痛みや症状がある場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。ここからは、月経困難症への対処法をご紹介します。

2.1 鎮痛剤の服用

痛みが強いときには、鎮痛剤の服用による対処が考えられます。痛みの原因となるPGをブロックできる、「プロスタグランジン合成阻害剤」が効果的です。具体的には、「ロキソプロフェン」や「イブプロフェン」などを配合したものです。


市販薬のほか、医療機関で処方してもらう方法もあります。その場合、ロキソプロフェンなどの鎮痛剤が処方されるでしょう。鎮痛剤は、痛みが強くなる前に早めに服用すると、少量でも良く作用する傾向にあります。

2.2 低用量ピルの服用

機能性月経困難症には低用量ピルが効果的です。低用量ピルは、低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)とも呼ばれます。


機能性月経困難症の原因には、排卵後に卵巣から分泌される黄体ホルモン「プロゲステロン」の作用があります。低用量ピルの服用によって、黄体ホルモンの分泌が抑えられ月経痛を予防できます。


また、いくつかの低用量ピルは健康保険が適用されます。経口避妊薬であるピル(OC)は保険適用ではないものの、月経困難症に対しては同様の効果が得られるでしょう。

2.3 漢方薬の服用

女性の不調改善に効果のある漢方薬を服用することも1つの方法です。


月経痛には、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)や当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、加味逍遙散(かみしょうようさん)などが用いられます。芍薬甘草湯は、筋肉に対する抗けいれん作用があることから、月経困難症によるけいれん性の痛みに対しては速く効くことが期待できます。


漢方薬は市販もされていますが、医師の処方であれば健康保険が適用されるのもポイントです。

2.4 適度な運動

月経前は、骨盤の血流が滞り、うっ血する傾向にあります。うっ血によって月経痛が強まることがあるため、適度な運動で血流を促進するようにすると良いでしょう。


月経予定日の1週間ほど前からウォーキングやジョギング、スイミング、ヨガ、エアロビクスなど有酸素運動に取り組むことをおすすめします。目安として、1回45分~60分程度を週に3回以上行いましょう。長時間の運動が難しい場合には、全身のストレッチなど簡単な運動から始めても効果があります。

3.月経痛には病気が隠れていることも!月経困難症の方が気を付けたい病気

「いつもの生理痛」と思っていたら、実は病気が隠れていた……ということもあります。月経痛に隠れている可能性のある病気の症状などを理解して、あてはまる症状がある場合には医療機関の受診を検討しましょう。

3.1 子宮筋腫

子宮筋腫とは、子宮筋層と呼ばれる子宮の壁にできる主に良性の腫瘍のことを指します。悪性化することは非常に稀ですが、女性ホルモンの影響を受けて大きくなる腫瘍です。30歳以上の女性の20~30%は子宮筋腫を抱えているとされており、女性ホルモンが多く分泌されている20~40代に発生し大きくなりますが、閉経後は縮小することもあります。


症状としては、月経痛の増悪のほか、過多月経、不正出血、貧血、頻尿、腰痛などもみられることがあります。子宮筋腫は不妊の原因になることもあるため、妊娠を望む場合には注意が必要です。

3.2 子宮内膜症・卵巣内膜症性のう胞(チョコレートのう胞)

子宮内膜症とは、子宮内膜またはそれに似た組織が子宮内腔(ないくう)以外の場所に発生する病気のことです。20~30代で発症することが多く、30~34歳に発症のピークがあると言われています。特に、卵巣に子宮内膜症が発生した場合を「卵巣内膜症性のう胞(チョコレートのう胞)」と呼びます。


子宮内膜症、卵巣内膜症性のう胞では、強い月経痛や骨盤痛、性交痛、排便痛などの症状がみられます。加えて、卵巣内膜症性のう胞が破裂すると激しい腹痛が起こることもあります。


また、子宮内膜症は不妊の原因になることがあります。年齢や卵巣のう腫の大きさによっては、卵巣がんのリスクも高くなるため注意が必要です。

4.月経痛による受診の目安は

月経痛によって生活や仕事に影響が出ている方は、婦人科を受診しましょう。「あまりにも痛みが強い」「いつもの生理と様子が違う」と感じたときにも受診することをおすすめします。

月経の痛みや不調を緩和できる薬の服用の相談や、子宮・卵巣の病気の早期発見のためにも、月経の際の不調を感じるときには女性外来や婦人科への早期受診を心がけましょう。


<編集部より>
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≪執筆者プロフィール≫
ライター:髙橋 みゆき(たかはし みゆき)
2016年よりライター・編集者。各種民間保険、介護、医療、ITなど幅広いジャンルの記事を企画・執筆。

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≪監修者プロフィール≫

笈田枝里子(おいた えりこ)

千葉県出身。産婦人科専門医であり、年齢によって変化する女性の心と体の悩みについて相談・治療を行っている。特に月経困難症、不正出血、更年期症状の治療に携わることが多い。診療以外にもYouTubeチャンネル『産婦人科医 おいたえりこ』で情報発信を行い、動画内に寄せられたコメントには全て個別に対応している。また、各種講演等で得た収益の一部は、母子支援団体やボランティア団体に寄付している。

参考

※当記事は2023年7月時点で作成したものです。
※医師の診断や治療法については、各々の疾患・症状やその時の最新の治療法によって異なります。当記事がすべてのケースにおいて当てはまるわけではありません。

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